給湯器の知識をつけてお得に買い替えをサポートする給湯まめログ

バランス釜ってなに?カベピタ・バスイングとは?

バランス釜

バランス釜を見たことがない人も多いのではないでしょうか。昔、団地などの公団住宅向けに普及したバランス釜は、お風呂のすぐ横に取り付けるふろがまの一種です。アパートや団地で現在も使われているところはありますが、新築物件ではまず取り付けられていることはないでしょう。

バランス釜は主にお風呂場のみで使います。台所は台所専用の瞬間湯沸かし器や給湯器を使ってお湯を作ります。現在はその2つの場所のお湯を1台で作ることができる、ガス給湯器や石油給湯器・電気給湯器がよく使われています。

時代と共に姿を消していくであろうバランス釜について今回はご紹介していきたいと思います。

目次

  1. 1. バランス釜の使い方
  2. 2. バランス釜の種類
  3. 3. バランス釜が普及した理由は?
  4. 4. バランス釜が衰退した理由は?
  5. 5. バランス釜からリフォームできる給湯器
  6. 6. まとめ

1.バランス釜の使い方

今ではあまり見かけないバランス釜ですがもし引っ越しをするとき、古いマンション・アパートや、古い公団住宅・団地に住むと、バランス釜がついた物件になることもあります。そこでバランス釜の知っておいて損はない使い方についてご紹介しましょう。正しく使用することで安全にバランス釜でお湯が沸かせます。

① まずはガスの元栓を開ける
バランス釜はガスを使うため、バランス釜に接続されているガス管の元栓を開きましょう。

② つまみを押し回しして口火に合わせる

③ レバーを回す
レバーを回すとガチガチと音がなりますが、火花を出すことで点火させています。現行のバランス釜はこのレバーがついておらず、口火につまみを合わせるだけで電池によって点火できる簡単な仕様となっています。

④ 点火を確認したら給湯シャワーへつまみを合わせる
給湯シャワーへつまみを合わせたら、別のつまみの「止」から「シャワー」「給湯(蛇口)」に合わせることでお湯が出ます。また別のつまみで温度調節も出来ます。

2.バランス釜の種類

バランス釜は、お風呂に水をためてからその水を温める追い焚き専用機と、バランス釜でお湯を温めてから蛇口でお湯が出せる(給湯)+追い焚きが出来るタイプと、給湯+シャワー+追い焚きができるタイプがあります。

また給湯配管をつなげればお風呂場の外の蛇口(洗面所など)に他栓給湯ができるタイプもあります。お湯を出すときはバランス釜の口火をつけておかなければなりません。

3.バランス釜が普及した理由は?

バランス釜は先に述べたように、風呂釜の一種となります。バランス釜は密閉式の自然給排気タイプ(BF式)となり、他の風呂釜よりも安全に使用できることから、公団住宅を中心に普及していきました。また電池式のため、停電したとしても動きます。電気配線が必要ないので、排気口と設置できる環境が整っていれば設置も簡単。

半密閉式

半密閉式の風呂釜は、室内の空気を取り込んでガスを燃やし、燃焼ガスを排気筒から屋外へと出します。自然の通気力で排気する自然排気式(CF式)と、動力ファンを使って排気する強制排気式(FE式)があります。

CF式の場合、雨風の影響による不完全燃焼が起きたり、または台所で換気扇を回すと本体から伸びている煙突の隙間から排気ガスが逆流してしまいます。逆流した排気ガス(一酸化炭素)が浴室内に充満すると、浴室内にいた人が短時間で死に至る場合がありますので、新規取付はできない機種となっています。

密閉式

密閉式の場合は、屋外から空気を取り込み屋外へ排気するため、逆流の心配がありません。バランス釜は密閉式の自然給排気タイプ(BF式)で、他には動力ファンを使う強制給排気式(FE式)があります。

4.バランス釜が衰退した理由は?

バランス釜はお風呂のお湯を沸かす専用の機械であるため、別で台所用に湯沸かし器が必要になります。浴室内の限られたスペースを占有するため、どうしても浴槽が小さくなるデメリットもあります。また、浴室内にあるため湿気による故障や不具合も起きやすいことから、その後に給湯機能の集約化が進んで誕生した「給湯器」によって、メリットの少ないバランス釜及び風呂釜は衰退していきました。

どうしてもバランス釜しか取り付けができない環境である建物の場合や山小屋などを除いて、もし交換を考えるのであれば、より安全で使いやすい給湯器へ移行したほうがいいでしょう。

5.バランス釜からリフォームできる給湯器

バランス釜をやめてお湯を給湯器で沸かすことはできますが、バランス釜の排気筒が収まっていた部分がぽっかり穴があきます。普通の給湯器に交換するとなると、その穴を埋めるための工事や、配線・配管を通すための工事などかなり大掛かりになってしまい、団地や賃貸では難しいでしょう。

そういった場合はバランス釜から簡単にリフォームができる壁貫通型給湯器へのリフォームがオススメです。壁貫通型給湯器とはその名の通り、バランス釜の排気筒が収まっていた穴に本体がすっぽり収まります。バランス釜本体があったスペースを浴槽スペースに活かすことができるので、正方形の小さな浴槽を使っていた方は、1m10cm~1m20cm程の専用浴槽へ交換できます。操作もリモコンをポチポチ押すだけ、安全に使えます。

壁貫通型給湯器は給湯器のメーカーによって製品名が違ってきます。

カベピタ

カベピタはヤマダ電機グループ・ハウステックの製品名で追い焚きしながらシャワーも使えるWFシリーズがあり、ラインナップは8.5号(オート・マニュアル)、16号(フルオート)。専用の浴槽とリモコン・蛇口・本体セットのお得なカベピタパックインが人気。

バスイング

バスイングは人気メーカーのノーリツの製品名です。エコジョーズタイプがあり、ガスを無駄なく使ってガス代も節約できる壁貫通型給湯器があります。ラインナップは8号(標準)・16号(オート・フルオート)・16号エコジョーズ(フルオート)です。

ホールインワン

ホールインワンは同じく人気メーカーのリンナイの製品名です。エコジョーズタイプがあり、ラインナップは8.2号エコジョーズ(オート)、16号(標準)、16号エコジョーズ(フルオート)です。

壁貫通型給湯器の注意点

シャワーも使えて追い焚きもできる(オート・フルオートの場合)、そして小型ながらエコジョーズタイプもあり各メーカー製品どれにするか迷ってしまいますが、ここで1点注意することがあります。それが、排気方法についてです。

団地の多くは外に排気筒が伸びており、この場合はリフォームが可能ですが、排気筒が各室共通のダクトへつながっている場合は、排気ガスが他の部屋へ逆流する場合があり設置ができません。

6.まとめ

バランス釜は古い公団住宅やアパート、または山小屋など給湯器への交換が難しい建物では見かけることがあります。ですが新たに建つ公団住宅、アパートなどではより安全な給湯器をもともと取り付けていきますので、今後見かけなくなる製品ではあるでしょう。もしバランス釜で不便を感じている場合は、思い切って給湯器へリフォームする、または簡単な工事でリフォームできる壁貫通型給湯器に交換していっても良いでしょう。

「バランス釜ってなに?カベピタ・バスイングとは?」の関連ページ

トップへ バランス釜ってなに?カベピタ・バスイングとは?