給湯器と言えばエコジョーズ!というほど、メーカーや交換設備屋さんが推しているエコジョーズですが、一体どのような面が良いのか、また効率よくガスを消費する仕組みとは、そして全ての家庭でお得になるのか、といった気になる点についてご紹介していきます。
エコジョーズは「コンデンシングボイラー」という潜熱回収型給湯器のひとつで、都市ガス・LPガス(プロパン)を燃料とする製品の名前で、リンナイ・ノーリツ・パロマ・パーパス・長府製作所など人気メーカーが開発・販売を行っています。取り付けるには、設備業者・ガス屋・水道屋などに依頼します。また灯油・石油を燃料にしたエコフィールもございます。
まず給湯器の仕組みは、高温のガスから回収した熱を利用し熱交換器を通る水をお湯に変えます。しかし従来型の場合、燃焼ガスの約80%程度しか利用されず残りの排熱約200℃は屋外へと排気されてしまいます。
そこで開発されたのが潜熱回収型給湯器・エコジョーズです。エコジョーズは、熱交換器が1次熱交換器と2次熱交換器に分かれており、その中には水が通る配管があります。まず2次熱交換器により排熱約200℃でお湯をぬるま湯まで温め、1次熱交換器でさらに約1500℃の燃焼ガスで過熱し給湯管へとお湯が送られます。この仕組みにより、無駄なく燃焼ガスを利用でき燃焼効率は約95%まで上がり、光熱費がお得になるのです。
エコジョーズはガスの使用量が減る為、排出される二酸化炭素が約13%~16%削減されます。また待機時の消費電力は0.9W、消費電力は29Wと省電力。
一体どれぐらいのガス代が節約できるか、といういうと以下のような例を挙げてみます。
年間給湯15,300MJ、12畳分の床暖房を年間283MJ/㎡で(※1)、ガス料金が16.0円/kwh(※2)の場合、従来型の給湯暖房機と比較しガスの使用量は約11%削減、年間約15,150円お得になります!従来型の給湯器とエコジョーズとの価格差は2~3年で回収できる場合もあり!
従来型給湯器:RUFH-A2400AW2-1、※1:ガス石油機器販売事業者表示制度、※2:石油情報センター2006年7月公表データ
例えば大阪ガスでは「GAS得プラン エコジョーズ料金」というプランがあり、一般料金に比べて約4%お得になります!
エコジョーズは、2次熱交換器でお湯を温める際に凝縮水(ドレン排水)が発生します。ドレンは酸性ですが中和器によって中性にして排水されます。このドレン排水は雨水と同等の取扱いとされ、汚水桝や雨樋への接続、マンションならベランダの側溝までつなぐ配管工事が必要です。
エコジョーズにも実はデメリットがあります。それが使う家庭によってはお得にならない場合があるところです。
エコジョーズはよりお湯をたくさん使う家庭でその省エネ性による恩恵が受けられます。もちろんお湯をあまり使わない場合であっても省エネ性は変わる事はありませんが、エコジョーズと従来型には「価格差」という問題があり、やはり機能が良い分エコジョーズは割高です。従来型との価格差をどれだけ早く解消できるかによって、エコジョーズがお得かお得でないかが分かれます。ではどのような場合にエコジョーズがお得になるでしょうか。
お湯をたくさん使えば使うほど、今まで従来型を使っていたのであればエコジョーズに変えると年間約15,150円お得になります(床暖房使用・4人家族想定)。ただ、一人暮らしでシャワーぐらいしか使わない場合は、もちろんお得になる額も減ります。
例えば従来型給湯器を使用して月々5,000円ぐらいのガス代なら、エコジョーズにすると600円程安くなります。年間7,200円お得になるため、もし従来型とエコジョーズの価格差が30,000円なら4.2年で価格差をクリアし以降は年間7,200円分お得が続きます(燃焼効率が10年同じ場合)。
しかし従来型とエコジョーズの価格差が50,000円になると価格差クリアまで約7年かかります。価格差が70,000円になると約12年かかるため、耐用年数である10年を超えているので逆に損をしてしまいます。
ガス代が10,000円であれば従来型とエコジョーズの価格差70,000円であっても約5年で差額はクリアできるため、お湯をたくさん使う、4~5人家庭、温水床暖房や温水式の浴室乾燥機を使っている場合はエコジョーズが断然お得になるのです!
またプロパンガスの場合は都市ガスと比べてガス代が高いため、エコジョーズの省エネ性による恩恵がわかりやすい。プロパンガスを使用している場合はエコジョーズも考慮しておくと良いでしょう。
賃貸のマンション、貸家業をしている方の場合、エコジョーズにしたら安くなるかというとそうではありません。あくまでも使用するガス代金が安くなるので、恩恵を受けるのはガス代を支払う借主側となります。もちろんガス代が安くなるエコジョーズ付の物件を売りにすれば、入居率アップにつながる可能性はあります。
エコジョーズは潜熱回収型の給湯器で、燃焼効率は約95%の高効率給湯器です。ガスを少なく消費するため環境にも優しいエコ給湯器ですが、デメリットは普段お湯を少ししか使わない家庭ではガス代がそこまで安くならないこと。エコジョーズにするか、しないかを選ぶポイントは、従来型給湯器とエコジョーズとの差額が、どれぐらい早く解消できるか、にあります。エコジョーズにしたとき、どれぐらいお得になるかまずはシミュレーションし、5~6年以内で解消できるのであればエコジョーズを導入すると良いかと思います!
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