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発電しながら給湯するエコウィルとは?

目次

  1. 1. エコウィルは何ができる?
  2. 2. エコウィルのメリット
  3. 3. エコウィルのデメリット
  4. 4. エコウィルが壊れた時の交換先
  5. 5. まとめ

1.エコウィルは何ができる?

エコウィルは何ができる?

エコウィルは次世代のエコな給湯器として、発電機能を備えている製品です。

一般的な給湯器と同じく都市ガスやLPガスを燃料にしていることも特徴です。

ですが、仕組みは一般的な給湯器とは全く異なります。一般的な給湯器の場合は、ガスを使って燃焼させた熱を利用してお湯を作っています。そのため、目的は「お湯を作るだけ」になります。

一方エコウィルの場合は、まずガスを使用して発電を行います。その際にガスエンジンの熱を利用して、タンクにたまっている水をお湯にします。なので、目的は「発電をする」さらに「お湯も作る」ということになります。これらの仕組みはコージェネレーションシステムと呼ばれており、エネルギーを無駄なく使う省エネ性が高い機器となります。

エコウィルは、高い省エネ性能の仕組みで発電とお湯を作ることが出来るメリットが注目されがちなのですが、その他にもメリットがあり、またデメリットも少なからずあります。

2. エコウィルのメリット

エコウィルのメリット

エコウィルはガスを使ってお湯と電気を作ることができますが、具体的にはどのようなメリットがあるでしょうか。

2-1. 発電ができる

何といっても、発電できる点はエコウィルの最大の強みと言えます。発電した電気は、家の照明や家電、お風呂のガス温水式の乾燥暖房機であるカワックやガス床暖房のヌックでも利用できます。

一般的な給湯器であれば捨てているはずの熱を、エコウィルでは有効に再利用でき、電気代も抑えることが出来ます。

2-2. ガス料金がお得になる

ガスを使ったコージェネレーションシステムの場合、ガス会社によってはお得なガス料金で契約が出来ます。東京ガスの場合は「エコウィルで発電エコぷらん」でガスを特によく使う冬期にお得な専用料金表が適用され、さらに年間を通じて8%の割引となります。ガスはお湯以外にも床暖房・ガスコンロ・浴室乾燥などでも使いますので、お得な料金プランが適用され、かつ電気も節約できるとなると、お得感もアップします!

3. エコウィルのデメリット

エコウィルのデメリット

電気が作れる給湯器のエコウィルですが、使う家庭によってはデメリットもあらわになってくるでしょう。

3-1. 電気を使わなければ発電しない

学習機能が備わっているため、日々のエネルギーの使われ方からどれだけ発電させるか自動で設定されるのですが、かえってそれがデメリットにもなります。例えば外出が続き電気をあまり使わない日々が続いたりした場合、季節が変わり床暖房が必要になった、などいざお湯を使おうとするとお湯が全然足りないことがあります。

また電気をあまり使わない家庭の場合、発電量も少ない為効率よく沸かせるお湯の量も少なくなります。結果的にお湯が足りず補助用のガス給湯器を使用することになるので、もちろん発電はされず、エコウィルをつけている意味もなくなってしまいます。

そのため、手動設定に切り替えて、自分で発電するタイミングを調節する必要があるでしょう。

3-2. お湯が作られると発電しない

発電を開始するとエコウィルのタンク内にお湯が作られます。そのお湯を沸かし終えると発電をストップします。となると、タンク内のお湯を使わなければ発電をしないため、毎日シャワーで済ましている場合やお湯の利用が少ない場合もエコウィルの強みが生かされなくなります。エコウィルを使うのであれば、床暖房や浴室乾燥、お湯はりなどたくさんお湯を使わなければ、お得感も減るでしょう。

3-3. 設置コストが高い

一般的な給湯器(暖房付き)の場合、20~30万円程の費用がかかります。

エコウィルは貯湯タンクと発電ユニットを設置するため費用は80~90万円程かかります。また機器の重さもお湯がたまると200kg程となるため、頑丈なコンクリートの基礎が必要になり、基礎工事を合わせると100万円を見ておいた方が良いでしょう。

一般の給湯器との価格差は50万円ほどあります。給湯器の寿命である10年使用したとすると、年間5万円以上光熱費が安くならなければ、発電により光熱費が安くなるというメリットは受けられないでしょう。

3-4. メンテナンスが必要です

エコウィルはメンテナンスが必須で、メンテナンスをせずに約6200時間運転すると運転が停止されます。もし保守契約に加入していない場合や、保守期間が切れた場合、実費で約20,000円程の点検費用がかかります。

エコウィルは賢く使う、また電気やお湯をたくさん使うご家庭には向いていますが、電気・お湯をあまり使わないご家庭ではデメリットが多くなります。

4.エコウィルが壊れた時の交換先

エコウィルが壊れた時の交換先

エコウィルは、エコジョーズなどの一般的なガス給湯器とは異なり、発電ができるメリットがありました。加えて同じく発電ができるエネファームと比べると価格が安いこともメリットでした。ですが現在は、エネファームの価格が下がり価格差が強みであったエコウィルのメリットがなくなり、現在は製造されていません。

その為、交換先には別の機種を選ぶこととなります。

エコウィルが壊れてしまった時、まず考えて頂きたいことは「発電」によるメリットがあったかどうか。それにより交換先も変わります。

発電は要らない!初期費用も抑えたいなら「エコジョーズ」
オール電化に変えるなら「エコキュート」
発電を引き続きしていきたい場合は「エネファーム」
と考えると良いでしょう。

4-1. エコウィルからエコジョーズ

エコウィル、エコキュート、エネファームなどの機器は貯湯式となりますので、別でタンクの設置が必要で初期費用も高くなります。ですが、エコジョーズなら設置費用は30万円ほどとなり、一番費用を抑えることが出来ます。

また、エコジョーズは一般的なガス給湯器よりも熱効率が高く、さらにお得なガスプランでガスを使用できます(ガス会社によって価格は異なります)。

エコジョーズは瞬間的にお湯を作る機器なので、蛇口をひねればお湯が出ます。タンク式のデメリットであるお湯が冷めてしまい沸かしなおす・お湯切れする・無駄にお湯を作りすぎることもありません。

突然来客があったとしても、お湯切れを起こしてお湯が出なくなることはまずないです。

4-2. エコウィルからエコキュート

エコキュートは電気を使用してお湯を作る給湯器です。停電時や断水時でもお湯・水が使用できます。

なぜオール電化ならエコキュートなのかというと、オール電化住宅で利用できる安い電気料金プランを適用すれば、電気料金が安くなる夜間の間にエコキュートでお湯を作っておくことで、光熱費が抑えられるからです。

ただしお湯切れに注意。お湯がなくなった場合お湯が作られるまで待たなければならないうえ、電気代も通常料金帯になるため高くなります。もしもの時のために、タンクは大きめのものを選ぶか、補助用のガス給湯器を取り付けるか対策は必要でしょう。

4-3. エコウィルからエネファーム

エネファームはエコウィルと同じく発電が出来ますが、機能に違いがあります。エコウィルはガスエンジンの熱を利用しお湯を作りますが、エネファームはガスから水素を取り出して、空気中の酸素と反応させることで発電をします。その際の熱を利用してお湯を作っています。

お湯・電気をたくさん使い、かつガス式の温水床暖房や浴室乾燥などを使っている場合はエネファームが良いでしょう。また太陽光発電と組み合わせることにより、安定した電気量を確保できます。

ただし、初期費用・設置コストは一番高い機器となります。現在価格が下がってきたとはいえ、200万円程はかかり、次回の機器交換時の費用も考えておかなければなりません。賢く使えばお得になる、そんな省エネ機器です。

5.まとめ

エコウィルは現在製造されていないため、使用し始めてから10年が経つ頃には交換を考えなくてはなりません。

そんな時、ガスでシンプルにお湯だけを作るエコジョーズにするか、はたまたオール電化住宅にして安い深夜の電気料金でお湯を作るエコキュートにするか、発電も行い太陽光発電とも相性がいいエネファームにするか。今までエコウィルを使ってきてメリットを感じたのかどうか、考えてみてください。

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